2020年冬の移籍市場でマンチェスター・ユナイテッドがオディオン・イガロを中国の上海申花からレンタル移籍で引き入れた際、メディアからも疑問視する声が出ていた。しかし、イガロはオーレ・グンナー・スールシャール監督の信頼に最高の形で応え、夢のクラブでの居場所を自ら掴んでいる。
母国ナイジェリアのクラブでプロデビューしたイガロが、2014年から2017年までワトフォードに在籍したことはよく知られているが、それ以前にもウディネーゼやグラナダでプレーしており、欧州の3大リーグでプレーした経験を有する。
スールシャール監督がストライカー不足のチームの補強としてイガロに白羽の矢を立てた大きな理由の一つに、様々な場所で結果を残した経験豊富な彼のキャリアがあったことに疑いの余地はないだろう。イガロはワトフォード時代、2014-15シーズンに20ゴールをマーク。2015-16シーズンにもプレミアリーグで15ゴールを挙げており、イングランドの地で確かな実績を残していた。
それでも、2019年6月に三十路を迎えたストライカーが活躍できるかどうかは多くの人が懐疑的に見ていた。しかし、「幼少期からの憧れのクラブだった」というユナイテッドでコンディションをベストに整えると、加入後の公式戦8試合で4ゴール1アシストをマーク。強靭なフィジカルで前線のポストワーカーとしてもチームに貢献するなど、2020年1月末から中断まで公式戦11試合無敗のチームの中で十分過ぎるほどの存在感を示した。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響でシーズンが中断。5月末までの契約だったイガロは、一時は8試合の出場のみでレンタル元に復帰することが濃厚に。それでも、クラブはイガロの残留に向けて上海申花と交渉を続け、6月1日には2021年1月31日まで残留することが決定した。
「本当に幸せだよ。ここに居続けることは僕にとっての夢。とてもワクワクしている」
「子供の頃からこのクラブの大ファンで、このクラブのためにプレーすることは夢なんだ。一生懸命取り組み、プレーを楽しみ、クラブをサポートしたい。僕たちがさらに上に行けるように何でもする」
30歳にして自らの手で夢をつかみ取ったイガロ。「再開後、我々と共にトロフィーを獲得できたらいい」と喜んだスールシャール監督と共に、自身キャリア最高の時を過ごすために進んでいく。
プレースタイル
ボックス内で真価を発揮する典型的な9番タイプのストライカー。強靭なフィジカルを活かしたポストワークで起点をつくる身体を張ったプレーに定評があり、ゴール前での決定力も抜群だ。足元の技術もしっかりしており、ベテランらしく状況判断にも優れるため、ラストパスでアシストを記録することも可能。ユナイテッドに加入してからはさすがに「夢」のクラブだけあって身体の仕上りも最高級で、動きにキレを感じさせている。30歳とはいえ、選手として最高の時期を迎えていると言えるだろう。
動画:プレー&ゴール集
プロフィール・経歴
オディオン・イガロ/Odion Ighalo
1989年6月16日生まれ 181cm・70kg 利き足:右
シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
---|---|---|
2005 | プライム | 5試合・0得点 |
2006 | ユリウス・ベルガー | 10試合・5得点 |
2007 | リン | 7試合・3得点 |
2008 | リン | 13試合・6得点 |
2008-09 | ウディネーゼ | 6試合・1得点 |
2009-10 | グラナダ | 26試合・16得点 |
2010-11 | チェゼーナ | 3試合・0得点 |
2010-11 | グラナダ | 21試合・4得点 |
2011-12 | グラナダ | 30試合・6得点 |
2012-13 | グラナダ | 28試合・4得点 |
2013-14 | グラナダ | 16試合・2得点 |
2014-15 | ワトフォード | 35試合・20得点 |
2015-16 | ワトフォード | 37試合・15得点 |
2016-17 | ワトフォード | 18試合・1得点 |
2017 | 長春亜泰 | 27試合・15得点 |
2018 | 長春亜泰 | 28試合・21得点 |
2019 | 上海申花 | 17試合・10得点 |
2019-20 | マンチェスター・U | 11試合・0得点 |
2020-21 | マンチェスター・U | 1試合・0得点 |
上海緑地申花 | -試合・-得点 |
※成績は国内リーグ(2021年2月1日現在)
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