スペインが生んだ、世界最高峰の点取り屋──。キャリアの最終盤をヴィッセル神戸でプレーし、現在DAZNスペインで解説を務める元スペイン代表FWダビド・ビジャ氏は、これまでに所属したクラブや代表で数多くのタイトルを獲得してきた。
DAZNのオリジナル番組『OR7GEN(オリヘン)-ビジャとクラックたちの原点-』では、ビジャ氏がかつての古巣を訪れ、一時代を共に築いた仲間と様々な事柄について語り合う。ビジャ氏がアトレティコ・マドリード、バルセロナに続いて訪れたのは、自身が世界的な選手に成長していった時期に所属し、「キャリアで一番のサッカーができたと思ってる」と公言するバレンシア。スペイン第3の都市を訪れたビジャ氏は、美しい海岸線を望める道を元スペイン代表GKサンティアゴ・カニサレス氏と歩き始めた。
「サッカーが“遊び”ではなくなってる」
レアル・マドリードの下部組織で育ったものの、カニサレス氏は長きにわたってバレンシアの守護神を務めてきた。ビーチ沿いを歩くカニサレス氏は、現役時代と同様に金髪を風になびかせながら選手育成の重要性を説いた。
「スペインが2010年W杯で優勝できた理由として、サッカーの収益性の高さに気付いてたことが挙げられる。子供たちの月謝でサッカースクールが潤い、多くの選手が育ったからね」
バレンシアは、長年厳しい財政状況に苦しんでいる。カニサレス氏は「財政的な余裕を欠く今、カンテラの選手の貢献は大きいよ」と語る。
カニサレス氏と別れたビジャ氏がレストランに向かうと、そこには“強いバレンシア”を彩った旧友たちが待っていた。ビセンテ・ロドリゲス氏、ダビド・アルベルダ氏、ミゲル・アンヘル・アングロ氏──。バレンシア名物のパエリアに舌鼓を打ちながら、スペイン代表でも活躍した男たちは育成の在り方について討論を始めた。
ビセンテ氏:「今のサッカーはフィジカルが重視されすぎなんだ。多くが長身のセンターバックを探してる。体格のいい子ばかり選ばれて、そうじゃない子は除外されてしまう」
アルベルダ氏:「育成選手の起用も少ない。でも財政難のクラブが問題を解決したいなら、もっと下から起用すべきだ」
ビジャ氏:「アカデミーへの投資と聞くと、クラブの上層部は出し渋る傾向だ。育成の重要性に気付かずに経費削減ばかり臨むんだ」
アングロ氏:「プロになれるのは400人に1人の割合らしい。でもスター選手を1人出せば、クラブは大きな収益を生める」
ビックビジネス化した現在のサッカー界は、ある種の余裕を無くしてしまった。それは、まだ幼い少年少女ですら例外ではないようだ。ビジャ氏とビデオ通話で話をした、バレンシアのレジェンドである元アルゼンチン代表MFパブロ・アイマール氏はこう語った。
「最近は早い段階からサッカーが“遊び”ではなくなってるんだ。練習すべきものや仕事のような扱いだ。サッカーを純粋に楽しむ機会が減ってしまったと思う。10歳くらいの頃はボールを追って転んだりするのが楽しいんだよ」
OR7GEN(オリヘン)-ビジャとクラックたちの原点-
配信:DAZN
視聴期限:2026年12月31日
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