アトレティコ・デ・マドリードで出場機会が制限されていると推測されるFWアントワーヌ・グリーズマンだが、選手本人は腐ることなく、与えられる時間で全力を尽くす覚悟だ。
シメオネ監督は今季ここまで、グリーズマンを60分過ぎから起用していないが、これはクラブの方針に沿った起用方法とみられている。アトレティコはバルセロナから2年レンタルで獲得したグリーズマンについて、45分以上出場させる試合が50％以上になれば4000万ユーロで買い取る義務が生じる。つまり同クラブは、グリーズマンを“買い取らない”つもりのようだ。
気になるのはグリーズマンの心境だが、どうやらアトレティコに対する忠誠は変わっていない様子。アトレティコは7日にチャンピオンズリーグのポルト戦に臨み、シメオネ監督はグリーズマンを61分から起用している。するとフランス代表FWは101分、CKから2-1とする決勝弾をヘディングで決め切り、本拠地メトロポリターノにこの日一番の熱狂を呼び起こした。ゴール直後、グリーズマンはチームメートから次々と祝福のハグをされ、その後には胸のエンブレムにキスをしていた。
この試合後、グリーズマンはスペイン『モビスタール・プルス』とのインタビューに応じ、現状についてコメント。シメオネ監督はグリーズマンの起用方法の是非について「私はこのクラブの人間であり、これからもそうあり続ける」との返答していたが、それに関連した言葉も口にしている。
「60分からの出場？ しょうがないことさ。自分にどうこうできる問題じゃない。僕はここにいられることを神に感謝している。家族だって満足しているよ。もちろん、もっと出場できたらって思う。だけど、今は手にできる出場時間で全力を尽くすだけだ。僕はここでプレーしたい。クラブ、チョロ、ファンのためにすべての力を込めるよ」
「僕だって、このクラブの男なんだよ」
またシメオネ監督も、グリーズマンに対する信頼を強調している。
「私はグリーズマンが大好きだ。自分が抱える愛情を切り離しても、彼はこのクラブの歴史において最も重要な選手の一人のはずだろう」
「私たちは長年一緒にやってきたし、愛情があるのは当たり前だ。だが、そうした気持ち以上のところで、数字というものが存在する。昨季の彼は不安定だった。今季は強い意思を持ってほしい」
「実際のところ、私たちは現実を目にしている。彼は30分間のプレーで、とても素晴らしいことを成し遂げている。60分間なら、どうなっているかは分からない。私は現実の方を取らせてもらうよ」
なおグリーズマンは今季、ここまでの公式戦5試合すべてに60分過ぎから出場して3ゴールを記録。昨季不安定だった数字（36試合8得点）を、限られた出場時間の中で増やしている。
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