2017年夏にサンプドリアからインテルに加入すると、近年、大きく進化し、クオリティの飛躍に成功したミラン・シュクリニアル。スロバキア代表DFは、インテル守備陣にとって欠かせない選手へと成長し、“セリエA最高峰クラスのDF”としてのステータスを獲得した。
昨シーズンはインテルの11年ぶり19回目となるリーグ優勝の主役となり、今シーズンも守備陣のリーダーとして活躍を見せる。そんなインテルDFが、『ダゾーン・イタリア』の企画でインタビューに応じてくれた。
セリエA屈指の最強の守備
シュクリニアルはまず、自身がセリエAにおいて対人での強さを誇る秘訣について明かした。
「僕自身が1対1で最強かどうかは分からない。だが対戦前に相手のビデオを見て、選手の動きを観察しているので、たとえ相手がクオリティの高い選手であっても、プレーを予想するのが時折、簡単なのかもしれない」
「研究というほどではないが、セリエAでもう5年以上プレーしている。対戦相手は同じ選手ばかりではないが、ビデオはかなり目を通している。おそらく対戦相手だって、その多くがビデオを見ていると思う。プレーの予測が簡単になるからね」
インテルの最終ラインでは、29歳のステファン・デ・フライおよび22歳のアレッサンドロ・バストーニと3バックを組む。シュクリニアルは、インテル守備陣がセリエA最強であると自負する。
「僕がインテルにやって来てから、最強のトリオかもしれない。スクデットも獲得できたしね。インテル以外では、現時点でナポリの失点が少ないので、守備陣が強いということだろう。だが僕らがナポリを追い越すことはできるはず。僕らがセリエA最強の守備陣だよ」
狙うは20個目のスクデット
昨年、インテルをスクデット獲得へと導いたアントニオ・コンテはシーズン終了後に退任。今シーズンは元ラツィオ指揮官のシモーネ・インザーギの下でプレーする。
「監督との関係は非常に良好だ。インザーギとは、選手全員がやりやすいと感じているはずだ。数年前までプレーしていたこともあり、メンバーの1人のような感覚だ。人間としてもしっかりしているし、まるでチームメートのようだから、本当にやりやすい」
「今シーズンの目標はもちろん、20回目の優勝を果たすことだ。そのためにみんなで努力し、毎日、強いチームであることを証明できていると思う。練習においても、選手たちの強さが伝わってくるし、監督やスタッフも素晴らしい。最終節までこの調子を維持し、目標である2つ目のステッラ(優勝10回ごとに与えられる星)の獲得を実現したい」
インテルで5年目のシーズンを送るシュクリニアルは、サポーターの信頼も厚く、次期キャプテン候補とされている。
「もちろん主将になれたらうれしいよ。インテルのようなチームのカピターノになれたら素晴らしいことだ。だが僕はそこにこだわっていない。腕章を巻いている者だけがカピターノではないと思うんだ。ピッチに立つ選手全員がチームに貢献することで、カピターノとしての役割を果たしていると思う」
キャリアで出会った最強FWは同僚
これまでのキャリアにおいて、最もマークが難しいと感じたFWを問われると、昨シーズンまで同僚だったFWロメル・ルカクや、昨夏にローマから加わったFWエディン・ジェコなどを挙げた。
「9番の選手だったら、ルカクだと思う。彼をマークするのは難しかったから、練習だけで済んで良かったよ。対戦相手としては、エディンが嫌だった。大型FWでボールを上手くキープできる。マークは難しかったよ。サイドとなると、強い選手が本当にたくさんいる。今シーズン対戦した中では、ヴィニシウス(ジュニオール)かもしれない。かなりスピードがあるから、彼のようなタイプは非常にマークが難しい」
インテルで生まれた特別な仲間3人との絆
シュクリニアルの弟分であり、190センチと高身長のバストーニは、インテルの選手たちから“ジェリー”と呼ばれている。
「ジラッファ(キリン)みたいだからジェリーと呼んでいるんだ。背がかなり高くて、走っている時の長い首がまるでキリンのようだから、ジェリーなんだ。僕の方が先にインテルに加入したが、後からやって来た彼とは、とても気が合う。兄弟のようだよ。毎日、ほとんどいつも一緒にいる。アッピアーノにいる時は、部屋で一緒に試合を見たりしている」
シュクリニアルが可愛がっていたもう1人の弟分は、インテル下部組織出身のFWアンドレア・ピナモンティ。今シーズンは期限付き移籍によりエンポリでプレーしている。
「僕がインテルにやって来てから、すぐに仲良くなった。近所に住んでいたので、当時、自動車免許を持っていなかった彼を車に乗せて、トレーニング場まで一緒に通っていたのを覚えている。好青年だし、今もほぼ毎日、連絡を取り合っている。あの頃は少年だったが、今は成長して僕より大きくなった」
昨年、心臓の問題により、セリエAでのキャリア続行が事実上、不可能となり、インテルと契約解除に至ったMFクリスティアン・エリクセンも、シュクリニアルにとって大切な仲間だった。インテルDFは、エリクセンがEURO2020の試合中、ピッチで倒れた瞬間を振り返った。
「彼のことは、びっくりしたし、とてもつらかった。僕はその時、EUROでロシアにいた。テレビでピッチに横たわる彼の姿を見たが、何も情報を得ることができなかった。ロシアの中継だったので、ロシア語で何も理解できず、ものすごく怖かった。それから彼が目を覚ました姿を収めた写真を見てほっとした」
「それでも僕らにとってつらい出来事だった。クリスティアンはもうイタリアでプレーすることはできないが、今は彼自身の健康や家族の方が大事だ。彼が回復し、元気になったことをうれしく思っている」
シュクリニアルと1対1の7問勝負
最後にシュクリニアルは、短い7つの質問に答えてくれた。
――キャリアで最高の試合は?
UEFAチャンピオンズリーグでのデビュー戦かな。
――試合前にいつも聞いている曲は?
インテルの応援歌の新しい方、「ノイ・シアモ・インテル(僕らはインテル)」だっけ?
――訪れてみたい国は?
僕はアメリカに行ったことがないんだ。
――子供の頃の憧れの選手は?
僕が子どもの頃は、(元ブラジル代表)ロナウド・フェノーメノ(怪物)に憧れていた。子どもの頃はFWになりたくて、当時は彼が最強選手だった。
――何よりも心配していることは?
家族の健康だよ。
――料理上手なチームメートは誰?
まったく分からない。
――面白いチームメートは誰?
たくさんいる。(フェデリコ)ディマルコやバストーニ、(マルセロ)ブロゾヴィッチ、(ニコロ)バレッラ、(アンドレア)ラノッキアなど本当にたくさんいる。それぞれ面白さが違うんだ。
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