イタリア王者のインテルに所属し、イタリア代表メンバーの一員としてEURO2020を制したアレッサンドロ。ジョルジョ・キエッリーニの後継者と目されており、イタリアカルチョ界の至宝として期待を背負う。
一方、シモーネは、ラ・スペツィアに生まれ、地元クラブであるスペツィアの下部組織で育った生え抜きの選手。残留争いを繰り広げるチームにおいて奮闘を見せている。血縁関係はない2人だが、運命のいたずらなのかセリエA第21節において2人揃ってゴールを記録した。
左足の重いシュートが持ち味のシモーネ・バストーニ
リグーリア州の海岸沿いの街、ラ・スペツィア出身の25歳のスペツィア左サイドバックは、10日(日本時間)に行われたセリエA第21節のジェノアとのダービー(スペツィアが1-0で勝利)の14分、決勝点を記録した。
ランニングと重いシュートを持ち味とするシモーネは、過去にシエナやカッラレーゼ、トラーパニなど下部リーグにおいて7得点をマークしたのち、昨シーズン、セリエAでデビュー。残留争い中のスペツィアにとって、運命を分ける一戦となったミラン戦(スペツィアが2-0で勝利)において、セリエA初ゴールを記録した。
今シーズンは開幕戦のカリアリ戦(2-2)、チームがシーズン初勝利を収めた9月のヴェネツィア戦(2-1)といずれも敵地で得点をマーク。ジェノヴァのマラッシで行われた10日のジェノア戦においても、またしてもアウェーで勝利の左足シュートをペナルティエリア付近から打ち抜き、チームに大きく貢献した。スペツィアはこの結果、16位へと浮上。降格圏を遠ざけた一方、14位ウディネーゼおよび15位サンプドリアとは1ポイント差に迫った。
また、スペツィアのシモーネは、ユーティリティ性に優れた選手でもある。昨シーズンまでのヴィンチェンツォ・イタリアーノ指揮下においては、攻撃的なサイドバックだったが、現在、チアゴ・モッタの下では、攻撃の才能を活かし、中盤でプレーしている。
ゲームメイクを得意とするアレッサンドロ・バストーニ
もう1人の主役アレッサンドロ・バストーニは、今シーズンのセリエAで大活躍を見せる選手の1人でもある。1999年4月13日生まれのインテルDFは、アタランタの下部組織時代から“宿命を背負った選手”として注目を浴びた。セリエAデビューは、アタランタに所属していた2017年1月22日のサンプドリア戦に遡る。
2018-19シーズンにパルマでプレーしたのち、2019年夏にインテルへと移籍。若くしてアントニオ・コンテ指揮下で守備陣の要となり、シモーネ・インザーギ率いる今シーズンのインテルにおいても、3バックの左CBを定位置として活躍を続ける。
極めて現代的なCBで、イタリア伝統の堅守に加えて、ランニングや足元の技術、縦パスにも優れている。2-1と勝利を収めた9日のセリエA第21節ラツィオ戦においては、30分に美しく優美なミドルシュートで先制点を挙げると、1-1に追いつかれた67分、ミラン・シュクリニアルへの上質なクロスでアシストを記録して、チームを勝利へと導いた。
こうしてセリエAで先頭に立つインテルは、アレッサンドロら最終ラインのDF勢の活躍により、勝利をもぎ取ることに成功した。
文・ファビオ・ディジングリーニ
関連記事
● 【コラム】ミラノダービーの歴史に刻まれた元ミランの10番チャルハノールのゴール | セリエA
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。