この1年間で著しい成長を見せ、ミラン中盤の主力として躍動を見せる21歳のトナーリ。25日、スタディオ・オリンピコで行われた6位ラツィオとの一戦では、1-1で迎えた後半アディショナルタイムに、憧れのジェンナーロ・ガットゥーゾのような闘志で劇的な決勝弾を押し込み、2-1での勝利へとチームを導いた。
ゴール直後に思わずユニフォームを脱ぎ、イエローカードを提示されたミランの8番は、感動の瞬間を振り返った。
「ゴールの感動は素晴らしいものだった。立ち上がりは上手くいかなかったが、スタジアムの大部分がミランの観客で熱狂的で後押ししてくれた。まるでサンシーロであるかのように感じたよ。スタジアムまで駆け付けてくれたファンに感謝している」
「僕の人生で最高だったかどうかは分からないが、このゴールの感動は決して忘れないだろう。ミランのユニフォームを身にまとって挙げたゴールは、僕にとってすべて感動的だ」
興奮冷めやらぬはずのトナーリだが、ラツィオ戦のチームのパフォーマンスを振り返り、淡々と分析して見せた。
「チームの立ち上がりは悪かったが、猛攻を仕掛けて多くのチャンスを作り、得点を挙げることができた。これこそ、直近の2、3試合で足りなかったものであり、今後の試合でも見せていかなければならない」
「(ズラタン)イブラヒモヴィッチは、もっと多くのパスを縦に入れるよう要求していた。彼のような選手がチームにいることは貴重であり、可能な限り彼を活かさなければならない。彼のタワーが試合を変えたんだ。イブラのようなベテランから若手まで全員がこの調子を維持しなければならない」
最後に2ポイント差で迫る消化試合の少ないインテルの動向について問われると、「今日と同じように、目の前の1試合に集中しなければならない。僕らはリードしているかもしれないが、『ミランが1位だ。ミランは強い』などと感じているわけではない。僕らは今のままの謙虚な姿勢でありたい」とコメントした。(C)Getty images
ペドリやガビと並ぶ将来性に監督のような分析力
そんな21歳の逸材の語り口調に、『ダゾーン・イタリア』の「Sunday Night Square」に出演した解説陣は驚きを示す。ジャーナリストのアンジェロ・カロテヌート氏は、「こんな話をする若者は、5~6年後、いったいどんな選手になるのだろうか。試合について極めて冷静な分析をしている」と目を丸くする。
元ラツィオMFのダリオ・マルコリン氏も、「すでにほぼ監督のような語りぶりだ」とコメント。名門ミランの歴史を振り返れば、トナーリのようなタイプの選手が存在したことを明かしつつ、21歳MFのパフォーマンスを評価した。
「ミランの中盤では、まず(アリゴ)サッキ指揮下に(フランク)ライカールトや(カルロ)アンチェロッティらがいた。それから(マルセル)デサイー、(デメトリオ)アルベルティーニなどね。他にも強い選手が数多く存在し、居場所を確立するのは難しかったはずだ。トナーリは万能型の選手で、パーソナリティの点でも成長したように思う。前半は普通だったが、後半に入って調子を上げ、ゴールを決めた」
そんな2000年生まれの逸材は、将来、かつてミランの黄金期を支えたアレッサンドロ・コスタクルタやパオロ・マルディーニ、アルベルティーニのようなレジェンドへと成長するかもしれない。マルコリン氏は続ける。
「彼はミランのDNAを受け継いでいる。他のクラブでプレーしていたが、幼少期からのミラニスタだ。それに模範的な中盤の選手であり、極めて高いレベルにある。若い世代で思いつく選手と言えば、ペドリやガビ、トナーリ。それから(ドゥシャン)ヴラホヴィッチが、極めて偉大なカンピオーネ(王者)になれる将来性を持っている」
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