2019年夏のアントニオ・コンテ監督の招聘を機に、復権への道を歩み始めたインテル。イタリアの名門が真の意味で欧州の強豪に返り咲けるか、その最大のカギを握っている選手の一人がマルセロ・ブロゾヴィッチだ。
クロアチア・ザグレブ出身のブロゾヴィッチは、母国クラブを渡り歩き、ディナモ・ザグレブ時代に評価を高めた。2015年には、数々のクラブからの興味が伝えられる中、推定移籍金800万ユーロでインテル入りした。
イタリアに渡って2シーズンは浮き沈みもあったが徐々に出場機会を増やしつつ馴染むと、2017-18シーズン半ば以降にブレーク。それまでは中盤のやや攻撃的な役割も務めていたが、よりポジションを下げ、中盤の底から試合を組み立てるレジスタとして存在感を発揮した。
2017-18シーズンにリーグ戦31試合で4ゴール9アシストをマークすると、不動のレギュラーとなった翌シーズンには公式戦42試合に出場。完全にポジションを下げたことでゴールやアシストは減ったものの、オーガナイザーとしてチームにとってより重要な選手へと成長した。
そして今季もブロゾヴィッチは自身の価値を示している。「コンテは練習から何をするべきかを示してくれる。ピッチで何をするべきかを誰もが理解できている」と信頼する指揮官の下でチームの中心となり、中断前までのリーグ戦23試合で3ゴール4アシストを記録している。
セリエAの優勝争いに食い込んできたチームの中で評価はうなぎのぼりで、レアル・マドリードからの関心が伝えられるほどになったブロゾヴィッチ。無論、捲土重来を期するインテルはこの男を手放すわけにはいかない。
プレースタイル
攻守のバランス取りに優れており、プレーメークに必要なあらゆる能力を高水準で備えている万能型MF。ポジショニング、パスセンス、ボール奪取能力に長け、近年では中盤の底からチーム全体をオーガナイズするレジスタとして真価を発揮している。とりわけ運動量には目を見張るものがあり、クロアチア代表として母国の準優勝に貢献した2018年のロシア・ワールドカップでも躍動。120分を戦った準決勝のイングランド代表戦では大会最長となる16.399kmという驚異的な走行距離を記録した。
動画:プレー&ゴール集
エピソード
インテルではがっちりとチームのハンドルを握るブロゾヴィッチだが、2016年のウインターブレーク時には自身のBMVを運転していた際に信号無視をし、その後に飲酒運転と無免許(ライセンス停止中)で一時逮捕されたことが報道された。この件に関し、当時のロベルト・マンチーニ監督は「クリスマスパーティは誰だってするし、グラスワインを飲むこともある。アルコール度はそう高くなかったんだ」と大きくは咎めず。当時移籍が噂されていたブロゾヴィッチだが、最終的に残留を果たしている。
プロフィール・経歴
マルセロ・ブロゾヴィッチ/Marcelo Brozovic
1992年11月16日生まれ 181cm・68kg 利き足:右
シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
---|---|---|
2010-11 | NKフルヴァツキ | 22試合・1得点 |
2011-12 | ロコモティヴァ | 27試合・4得点 |
2012-13 | ディナモ・ザグレブ | 23試合・2得点 |
2013-14 | ディナモ・ザグレブ | 27試合・6得点 |
2014-15 | ディナモ・ザグレブ | 14試合・1得点 |
2014-15 | インテル | 15試合・1得点 |
2015-16 | インテル | 32試合・4得点 |
2016-17 | インテル | 23試合・4得点 |
2017-18 | インテル | 31試合・4得点 |
2018-19 | インテル | 32試合・2得点 |
2019-20 | インテル | 32試合・3得点 |
2020-21 | インテル | 18試合・1得点 |
※成績は国内リーグ(2021年2月10日現在)
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