アルゼンチンはこれまで数々の名ストライカーを輩出してきた。古くはマリオ・ケンペス、クラウディオ・カニーヒア、ガブリエル・バティストゥータ、現在ならセルヒオ・アグエロやゴンサロ・イグアインの名前がすぐに思い浮かぶだろう。
母国の名門リーベル・プレートで17歳の時にプロデビューを飾ったイグアインは、2シーズンで公式戦33試合で15ゴールを奪って一躍注目を集める。すると2007年、10代にして20世紀最高のクラブであるレアル・マドリード移籍を果たした。
19歳で世界屈指のビッグクラブに加わると、当初はウイング起用が続いていたが、2008-09シーズンにファンデ・ラモス監督の下でブレイク。センターフォワードとして起用されるようになり、ラ・リーガ34試合で22ゴールを奪う大活躍を見せた。
翌シーズンも32試合で27ゴールを奪い、世界的なストライカーの仲間入り。2012-13シーズンまでに公式戦264試合でプレーし、122ゴールを挙げた。
しかし、カリム・ベンゼマらとの激しいポジション争いの末にナポリ移籍を決断。セリエAの強豪ですぐにレギュラーの座を確保すると、初年度からリーグ戦17ゴールと輝いた。その後もコンスタントに得点を重ね、2015年夏に監督就任したマウリツィオ・サッリの下で偉大な記録を成し遂げる。
“サッリ・ボール”と呼ばれる攻撃的な速いテンポのスタイルへ舵を切ったチームにおいて、最前線でとにかくゴールを奪うことだけに集中する環境が整うと、なんとセリエA35試合で36ゴールを記録。恩師が「死ぬまでゴールを決め続ける」と称したイグアインは、66年ぶりにセリエAの1シーズン得点記録を塗り替えてみせた。
翌シーズンには宿敵ユヴェントスへの移籍を選択。本人は決断の理由に「会長との不和」を挙げたが、ファンの理解を得ることはできず、ナポリの本拠地スタディオ・サン・パオロでは強烈なブーイングを浴び続けた。
そんな“禁断の移籍”を果たした後も、2016-17シーズンは38試合で24ゴールを奪い、優勝に大きく貢献。翌シーズンは16ゴールを奪った。
クリスティアーノ・ロナウドが加入した2018年夏には一度クラブを追われ、ミラン、チェルシーと期限付き移籍で渡り歩いた。
2019-20シーズン開幕前には放出候補と囁かれたが、恩師サッリ監督の就任に伴い残留を決断。C・ロナウド、パウロ・ディバラと良好な関係を築き、32試合出場を果たした。
2020年夏、アンドレア・ピルロ新体制の構想外となり、MLSのインテル・マイアミに新天地を求めている。
プレースタイル
最大の武器は決定力を置いてほかにない。両足から繰り出す低くて鋭いシュートで、ゴールの四隅を打ち抜くのが十八番だ。低い重心で相手を抑え、振り向きざまに強烈なキックで相手GKを泣かすこともしばしばある。
元々は器用な選手ではなく、サッリ監督の指導によってポストワークの質が向上。ワンタッチの素早いコンビネーション中でも異彩を放つようになった。点取り屋ながらアシストも少なくない。
動画:プレー&ゴール集
プロフィール・経歴
ゴンサロ・イグアイン/Gonzalo Higuaín
1987年12月10日生まれ 184cm・77kg 利き足:右
シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
---|---|---|
2005-06 | リーベル・プレート | 14試合・5得点 |
2006-07 | リーベル・プレート | 17試合・8得点 |
2006-07 | レアル・マドリード | 19試合・2得点 |
2007-08 | レアル・マドリード | 25試合・8得点 |
2008-09 | レアル・マドリード | 34試合・22得点 |
2009-10 | レアル・マドリード | 32試合・27得点 |
2010-11 | レアル・マドリード | 17試合・10得点 |
2011-12 | レアル・マドリード | 35試合・22得点 |
2012-13 | レアル・マドリード | 28試合・16得点 |
2013-14 | ナポリ | 32試合・17得点 |
2014-15 | ナポリ | 37試合・18得点 |
2015-16 | ナポリ | 35試合・36得点 |
2016-17 | ユヴェントス | 38試合・24得点 |
2017-18 | ユヴェントス | 35試合・16得点 |
2018-19 | ミラン | 15試合・6得点 |
2018-19 | チェルシー | 14試合・5得点 |
2019-20 | ユヴェントス | 32試合・8得点 |
2020-21 | インテル・マイアミ | 9試合・1得点 |
※成績は国内リーグ(2020年11月30日現在)
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