ナポリのレジェンドと言えば、真っ先に名前が挙がるのはディエゴ・マラドーナだろう。現地では神格化されている存在だが、その「神」のゴール数を上回るクラブ歴代最多得点記録を保持しているのが、ドリース・メルテンスだ。
母国ベルギーのヘント下部組織出身で、プロデビューはレンタル先のエンドラハト・アールスト(当時3部)。翌年にオランダ2部AGOVVへ加入すると、2007-08シーズンから2年連続で10ゴール以上を記録し、国内の注目を集めるようになる。2009年にユトレヒトに移籍し、エールディヴィジの舞台に立つと2010-11シーズンは10ゴール17アシストをマーク。シーズン終了後、強豪PSVへと引き抜かれた。
PSVでも初年度から重要な選手となり、2年間の在籍で通算88試合45ゴール43アシストと目覚ましい活躍。2013年夏、ナポリに約1000万ユーロで引き抜かれた。イタリア初挑戦ながらすぐさま適応し、デビューシーズンでセリエA33試合11ゴール8アシストをマーク。その後もコンスタントに活躍を続けていたが、2015年のマウリツィオ・サッリ監督就任で秘めていたポテンシャルに華が開く。
初年度こそ途中出場がメインだったが、2016年に当時のエースであったゴンサロ・イグアインがユヴェントスへ移籍したためストライカーにコンバートされると、これが大当たり。同シーズンは35試合で28得点を挙げ、2017-18シーズンも18得点。「世界一美しい」と称されたサッリ・ナポリの顔となった。恩師の退任後もその得点力は衰えることなく、昨季は35試合で16ゴールを量産(10アシスト)。
そして2019-20シーズン、UEFAチャンピオンズリーグ・ラウンド16バルセロナ戦で先制弾を奪い、マレク・ハムシクの持つクラブ歴代最多得点記録(121ゴール)に並んでみせた。イタリアの中でも熱狂的なファンが多い強豪ナポリの歴史に名を刻む偉大な選手である。
プレースタイル
169cmと小柄でスピードのあるメルテンスは、デビューからしばらくの間ウインガーとして活躍していた。しかし2016年、サッリ監督に才能を見出されてストライカーへのコンバートを果たすと、その得点力が爆発。前線で相手DFの視覚を突きながら抜け出す動きは絶品で、鋭い振り抜きでのシュートも抜群の決定力を誇っている。
速いテンポのパス回しでもワンタッチを駆使して積極的に絡み、常に相手DFが守りにくいポジションでプレー。また長距離からでもシュートを狙うなど意外性のあるプレーも多く、相手からすれば非常に“やっかいな”選手と言える。
本人は新たな才能を見出してくれた恩師サッリについて「いつだって愛している。すべてを僕に与えてくれたんだ」と今でも敬愛していることを明かしている。ナポリとの契約は今季で終了となるため、世界中のビッグクラブもその動向を追っている。
動画:プレー&ゴール集
プロフィール・経歴
ドリース・メルテンス/Dries Mertens
1987年5月6日生まれ 169cm・61kg 利き足:右
シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
---|---|---|
2006-07 | AGOVV | 35試合・2得点 |
2007-08 | AGOVV | 38試合・15得点 |
2008-09 | AGOVV | 35試合・13得点 |
2009-10 | ユトレヒト | 34試合・6得点 |
2010-11 | ユトレヒト | 31試合・10得点 |
2011-12 | PSV | 33試合・21得点 |
2012-13 | PSV | 29試合・16得点 |
2013-14 | ナポリ | 33試合・11得点 |
2014-15 | ナポリ | 31試合・6得点 |
2015-16 | ナポリ | 33試合・5得点 |
2016-17 | ナポリ | 35試合・28得点 |
2017-18 | ナポリ | 38試合・18得点 |
2018-19 | ナポリ | 35試合・16得点 |
2019-20 | ナポリ | 31試合・9得点 |
2020-21 | ナポリ | 13試合・4得点 |
※成績は国内リーグ(2021年2月17日時点)
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