今季もセリエA26試合を終えて7位と、思ったような結果が出ていないミラン。そんな名門の中でトップの得点関与数(8)を誇り、低迷するチームをけん引するサイドバックがいる。フランス人DFテオ・エルナンデスだ。
10歳の時、兄のリュカ・エルナンデス(現バイエルン)よりも先にスペインの強豪アトレティコ・マドリー下部組織入団を果たしたT・エルナンデス。若くして大きな注目を集めていた左サイドバックは、2016年にアラベスへと期限付き移籍で加入し、プロデビューを果たした。
アラベスではすぐさま主力として起用され、ラ・リーガ32試合で1ゴール4アシストをマーク。スペイン国内で屈指の若手選手として期待される中、2017年夏には宿敵レアル・マドリーへ移籍を果たす。暗黙の紳士協定が存在する中でのこの“禁断の移籍”は、大きな物議を醸した。
世界屈指の強豪へ移籍を果たしたT・エルナンデスだが、マルセロの壁は厚く、2017-18シーズンはサブ要員として起用が続く。満足いくプレーもできず、翌シーズンはレンタルでレアル・ソシエダへと移籍することに。新天地ではまずまずの活躍を見せていたが、2019年夏にレアル・マドリーは同ポジションに選手を獲得したため構想外に。スペイン首都クラブでは期待されたプレーを見せられぬまま、ミランへと完全移籍で加入することとなった。
失意の中で移籍を強いられた22歳だったが、初挑戦のセリエAで躍動。マルコ・ジャンパオロ、ステファノ・ピオリと指揮官交代が行われた後でも攻撃的な役割を任せられ、チームトップのゴール関与数(5ゴール3アシスト)を記録。データ会社『Opta』が選出するセリエA前半戦のベストイレブンに名を連ねるなど、イタリア屈指のサイドバックとしてそのポテンシャルを存分に発揮している。
プレースタイル
184cmと大柄で、スピード、推進力、突破力、正確なクロス、シュートを武器とする“超攻撃型SB”。運動量も豊富で、左サイドに張るだけでなく内側のポジションからボックス内に飛び出すなど、ウイングさながらの動きを見せる。ピオリ監督も彼の攻撃力を高く評価しており、特徴を生かすための戦術を採用するほどである。
22歳と若くまだ粗削りであるため、守備時のポジショニングやデュエルには課題を抱えているが、イタリアで経験を積むことで成長を見せている。伸びしろも十分であり、名門復活へ欠かせぬピースの1つだろう。
動画:プレー&ゴール集
プロフィール・経歴
テオ・エルナンデス/Theo Hernández
1997年10月6日生まれ 184cm 利き足:左
シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
---|---|---|
2016-17 | アラベス | 32試合・1得点 |
2017-18 | レアル・マドリー | 13試合・0得点 |
2018-19 | レアル・ソシエダ | 24試合・1得点 |
2019-20 | ミラン | 33試合・6得点 |
2020-21 | ミラン | 18試合・4得点 |
※成績は国内リーグ(2021年2月10日現在)
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