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11年ぶりセリエA制覇のミランをイタリア解説陣が分析…MVPは誰?イブラの葉巻の意味は? | セリエA

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11年ぶりセリエA制覇のミランをイタリア解説陣が分析…MVPは誰?イブラの葉巻の意味は? | セリエA(C)Getty images
【欧州・海外サッカーニュース】ユヴェントスOBで元イタリア代表のアンドレア・バルザーリ氏ら『DAZN(ダゾーン)イタリア』の解説陣が、ミランの11年ぶり優勝で幕を閉じたセリエA2021-22シーズンについて、番組内で見解を示した。

今シーズンのスクデット争いは、首位ミランと2位インテルが2ポイント差で最終節までもつれ込む混戦となったが、ミランが23日(日本時間)のサッスオーロ戦で3-0と勝利を収めて逃げ切りに成功。11年ぶり19回目となるスクデットを獲得した。

『ダゾーン・イタリア』の「Sunday Night Square」に出演した元イタリア代表MFのマルコ・パローロ氏は、ミランの優勝への軌跡を振り返り、自身の古巣であるラツィオと先月25日に対戦した場面を回想。ミランが試合終了間際のMFサンドロ・トナーリのゴールで逆転勝利を収めたことで、ロッソネーリのスクデットを確信したと指摘する。

「ローマでのあの勝利で生まれたアドレナリンが勢いになったように思う。インテルの敗戦(先月28日のボローニャ戦)もあったが、それはミランが極めて高いプレッシャーをかけた影響もあるだろう。あの時を境に、ミランが後ろを振り向くことは決してなかった。あのゴールですべてが変わり、ミランが優勝できる可能性が高まったように思う」

パローロ氏はさらにシーズンを遡り、2月6日のミラノダービーが、スクデット争いを繰り広げていたインテル、ミランおよびナポリの勢力図を大きく変化させたと指摘する。ステファノ・ピオリのチームは、当時首位を走っていたインテルに先制を許したが、終盤に逆転し、2-1と勝利を収めたことで、優勝への流れを大きく引き寄せた。

「今シーズンのカギとなった試合は後半戦のミラノダービーだ。スクデットは、あの試合の70分まで別の方向を向いているように見えた。だがジルーが意欲と決意を示して2得点を挙げ、シーズンの行方をひっくり返したんだ」

ワールドクラスに成長したレオン

日本代表DF長友佑都のチェゼーナ時代の元同僚は、ミランの選手たちの今シーズンのパフォーマンスを振り返り、MVPに22歳のFWラファエウ・レオンを挙げた。

「今日も3得点をお膳立てした。今シーズンは開幕直後から結果を出そうという意気込みが感じられ、シーズンを通して成長し、ミランをけん引する選手へと変わった。サンシーロでは、レオンがボールを持ち、ドリブルを仕掛けてチャンスを作り出すことを誰もが期待してきたが、その通りのプレーを何度も見せてくれた」

ユヴェントスOBのバルザーリ氏も、リーグ戦で11ゴール10アシストを記録したポルトガル代表FWの急成長に驚きを示しつつ、今後のさらなる進化に期待を寄せた。

「ヨーロッパのビッグクラブにふさわしいワールドクラスの強い選手へと成長した。彼はまだ、信じられないほどの潜在力を持っている。ゴール前におけるプラスアルファの何かが足りなかったかもしれないが、フィジカルおよび技術面において、すべてを兼ね備えている選手だ」

「もちろんFWでプレーしていれば、ゴール&アシストの数も大事だ。今年は勝負強さも見せており、重要なステップを踏んだように思う。これまでに大きな成長を遂げたが、さらに大きく飛躍できる。ここで立ち止まって満足してはならない。彼はもっとゴールを決めなければならない選手だ」

イタリア人ジャーナリストのアンジェロ・カロテヌート氏は、ミランの最優秀選手に自身のお気に入りであるトナーリを挙げる一方、レオンにも賛辞を贈った。「彼は試合中、予測不能なプレーを見せる。彼の動きや圧倒的なパワーは、(ルート)フリットを思い出す」と述べた。20220503_Milan_Leao(C)Getty images

イブラヒモヴィッチの葉巻の意味は?

続いてパローロ氏は、今シーズン、ピッチ内での貢献が最も目立たなかった選手として、ベテラン勢のFWズラタン・イブラヒモヴィッチとDFシモン・ケアーを挙げた。

「2人はピッチ外においてリーダーシップを発揮してきたが、ケアーは負傷し、イブラも以前のように出場数を保証できずにピッチ内で不在となり、ミランはシーズン途中、解決しなければならない問題に直面した。2人の不在は、チームにとって重荷となり得たはずであり、もしスクデットを獲得できていなければ、おそらく『イブラとケアーがいなかったから』と言われたはずだ」

それでもバルザーリ氏は、2人のロッカールーム内における貢献は重要なものだったと指摘する。

「2人の存在は本当に決定的だったはずだ。例えば彼らの振る舞いや目つきもなども模範になる。あまり話をしなくても、正しいタイミングで正しい言葉を伝えることもできるだろう。イブラがそばにいれば、若手は安心できるはずだし、何かを学び取ることもできる。いまどきの若者の中には、リスペクトを払わない選手もいるかもしれないが、賢い選手なら黙って振る舞いを観察するはずだ」

元ラツィオMFも、サポート役としてのイブラヒモヴィッチを高く評価。元ユーヴェOBに賛同した。

「若手選手は承認欲求もあるはずだ。良いプレーをして、イブラを見る。するとイブラが良い反応をする。『自分はイブラを驚かすことができたんだ!』と感じ、自信になる。小さなことかもしれないが、イブラはこうした種を撒いたのではないだろうか」

バルザーリ氏は、イブラヒモヴィッチが自身のフィジカルコンディションの状態から、シーズン途中に脇役に徹することを決断したと指摘した。

「シーズン途中に役割を変えたのではないだろうか。おそらく当初は、『俺がレギュラーだ』と思っていたはずだが、フィジカルトラブルに悩まされ、以前のようなコンディションに戻れず、このピッチ外の役割を担うことにしたのだろう。今後、チームに残留するのかどうかは、彼とクラブが決めることだ」

するとパローロ氏は思わず、優勝セレモニーでイブラヒモヴィッチが葉巻をふかすパフォーマンスを見せたことに言及。「つまりあれは“仕事終了”の葉巻だったのか」と、今シーズン限りでのミラン退団を示唆する意味があるかもしれないことに触れた。しかし元ユーヴェDFは、「確かに優勝で締めくくれたら最高だね。だが彼のような選手は、10年後も引退に踏み切れないかもしれない」との見解を示した。

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