セリエA第6節を終えて、無敗のまま14ポイントを獲得したナポリ、アタランタ、ミランが首位争いを繰り広げるセリエA。続いてダークホースのウディネーゼ、ローマが1ポイント差で背後に迫り、インテルも12ポイントで6位からの追い上げを狙う。
そんな中、現役時代にミランやユーヴェなどでプレーした経験を持つマトリ氏や、インテルおよびローマOBのルイジ・ディ・ビアージョ氏らが『ダゾーン・イタリア』の「Kickoff」に出演し、分析を行った。
ミランとナポリ、どちらに勝機?
今週末のビッグマッチ、ミラン対ナポリ。両者ともに攻撃の要を欠き、それぞれFWラファエウ・レオンおよびFWヴィクター・オシムヘンが不在となる。ナポリOBのダリオ・マルコリン氏は、ルチアーノ・スパレッティのチームが優勢であると主張。「どちらも絶好調だが、スパレッティの方が攻撃陣の控えメンバーに恵まれ、ナポリが攻撃面において有利だ」との見解を示した。
一方のマトリ氏は「現時点においてセリエAで最も調子の良い2チームで、どちらも最高のパフォーマンスを見せている。だがホームでプレーするミランは、観客の後押しを受けることもできるだろう」と指摘。ホームアドバンテージのあるミランを推した。
またディ・ビアージョ氏は「予想するのは本当に難しい。ホームのミランが有利かもしれないが、現在のナポリを倒すのは困難であると言える」との見解を示した。
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出遅れたインテル、問題は解決済み?
続いて話題にインテルに。シモーネ・インザーギのチームは今シーズン、ラツィオやミラン、バイエルン・ミュンヘンとのビッグマッチに敗れたが、直近の公式戦2試合で連勝し、調子は上向き始めたように見える。
マルコリン氏は「選手や監督にとって、メンタル面は重要だ。敗戦から復調して2連勝したことで、チームのスピリットも戻ってきたように思う」と指摘。マトリ氏も「インテルの問題はフィジカル面というより、メンタル面にあった。直近の2試合で勝てたことによりメンタル面で解放され、今後の試合はより落ち着いて臨めるはずだ」と述べた。
さらにディ・ビアージョ氏も「難しいトリノ戦を制し、チャンピオンズリーグ(UCL)ではより簡単に勝利を収めた。チームは再出発し、正しい方向へ向かっているように思う」と述べた。
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アッレグリは続投するべきか?
ユヴェントスは今シーズン、相次ぐ主力の離脱により苦戦。セリエAでは2勝4分で8位に沈み、UCLにおいても2連敗でのスタートとなった。ベンフィカ戦直後には「#AllegriOut」のハッシュタグが急上昇し、早くもアッレグリの進退を問う声が上がり始めたが、「Kickoff」の解説陣は全員、アッレグリの続投を支持した。マルコリン氏はユヴェントスの台所事情を考慮すべきであると主張した。
「監督を信頼するべきだ。マッシミリアーノ・アッレグリは、チームが完全な状態で仕事をしていない。(アンヘル)ディ・マリアや(アドリアン)ラビオ、(ポール)ポグバや(フェデリコ)キエーザなど、このユヴェントスを変えられる多くの選手たちがいなかった。監督にとって、重要な代替オプションを持つことは大切だ」
またマトリ氏も「シーズン開幕前に、アッレグリの続投という重要な決断を下したわけで、このまま続けるのがふさわしいだろう」と回答。続くディ・ビアージョ氏は「非常に微妙な状況だ。セリエAの成績は良いとは言えず、UCLについては『悪い』と言っても良いだろう。チームからは監督のアイディアが感じられない」と指摘する一方で「いずれにせよ、まだ待つべきだ。マックスには情状酌量の余地がある」と理解を示した。
さらにアッレグリの去就を巡っては、イタリア紙『Tuttosport』のグイド・ヴァチャーゴ編集長も番組に出演して見解を示した。
「監督が最高責任者であり、チームのパフォーマンスについて責任を取るべき立場にある。だがすべてを監督の責任とするには短絡的だ。今年は選手たちやチームのスタッフにも問題もあった。したがってアッレグリだけに責任を問うのではなく、もう少しみんなに分散するべきだと考える。ただハッシュタグの時代においては、スケープゴートを見つける必要がある。アッレグリはその対象として最適なのだろう」
ユヴェントスOBのフェデリコ・ペルーゾ氏も、アッレグリの擁護に回る。
「チームは負傷者が多く、完全な状態じゃない。アッレグリに時間を与えるべきだ。ユーヴェはゼロからスタートし、少ない人数の中、短期間で多くの試合をこなさなければならなかった。私は絶対的に監督を支持する。アッレグリなら現在の状況をコントロールできるはずだ」
新天地で躍動するディバラに嘆くユーヴェ
ユヴェントスが低迷する一方、昨シーズン限りでトリノに別れを告げ、ローマに新天地を求めたFWパウロ・ディバラは、今シーズンの公式戦8試合で4ゴール2アシストをマークするなど、本来の輝きを取り戻した。ペルーゾ氏は、そんな元ユーヴェの10番について見解を示した。
「昨シーズンも負傷するまでは、破壊力を持った選手だった。素晴らしい選手であり、ユヴェントスを嘆かせるだけでなく、多くのクラブが彼を手に入れたいはずだ。情熱的なアルゼンチンの出身の彼にとって、ローマの環境はすべてを引き立ててくれるのだろう」
「現在の状況では、ユヴェントスのファンは『もしディバラがいたら…』と考えてしまうだろうが、過去には戻れない。それにディバラにとっては第2のキャリアが始まったと言える」
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メンタル面で飛躍のザニオーロ
続いてペルーゾ氏は、ローマでディバラの同僚となったイタリア代表MFニコロ・ザニオーロについて言及。ジョゼ・モウリーニョ指揮下において重要な選手であることを説いた。
「モウリーニョにとって、いないと困る選手であるはずだ。ザニオーロはおそらく、メンタル面において重要な飛躍を果たした。またフィジカルのケアが重要であることも理解し、マニアックなほどこだわるようになったと聞いている。継続性で足りない部分はあるが、カンピオーネ(王者)だ。ザニオーロにディバラ、そして前線の全員が揃えば、ローマは大きな目標を目指せるだろう」
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