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新生ミランの復調の要因は3バックへの変更だけではない!EURO制覇の元伊代表アナリストがピオリの改革を分析「欧州8強入りを可能にした決断」 | セリエA

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新生ミランの復調の要因は3バックへの変更だけではない!EURO制覇の元伊代表アナリストがピオリの改革を分析「欧州8強入りを可能にした決断」 | セリエAGetty
【欧州・海外サッカーニュース】元アタランタFWのシモーネ・ティリボッキ氏および元イタリア代表チーフ・アナリストのアントニオ・ガリャルディーニ氏が『DAZN(ダゾーン)イタリア』の番組内に出演し、ステファノ・ピオリ率いるミランの戦術の変化を読み解いた。

昨シーズンに11年ぶりのスクデット獲得を果たしたものの、今年1月に公式戦7試合未勝利と、急転直下の大不振に陥ったミラン。だが指揮官のステファノ・ピオリが3年間にわたって作り上げた4バックのシステムにメスを入れ、3バックへと移行するとチームは持ち直し、成績が上向き始めた。

UEFAチャンピオンズリーグにおいても、ラウンド16でトッテナムを下し、11年ぶりのベスト8進出を決めたピオリ率いるチームについて、現役時代はアタランタなどで活躍したシモーネ・ティリボッキ氏と、イタリア代表のチーフ・アナリストとしてEURO2020制覇を支えたアントニオ・ガリャルディーニ氏が『ダゾーン・イタリア』の特番「Like Tattico」で分析を行った。

ミラン指揮官は「3バックか4バックかと話題になるが、私は関心がない。違いを作り出すのはそこではない」と主張したが、ティリボッキ氏も「ピオリの言う通り、システムの影響は一定程度にとどまる」と賛同。ガリャルディーニ氏も「ミラノダービーのミランは、2022年のチームと異なった。以前と比較すると、選手たちの姿勢やシステムが変わった」との見解を示しつつ、「ヨーロッパ最強の8チームに仲間入りすることを可能にしたピオリの決断」を解説した。

3バックへ移行した新生ミラン

ミランは、今年最初のセリエA5試合において4バックを採用し、実に14失点を記録している。だが3バックへ移行した次の5試合では、わずか3失点に減少した。これは対戦相手による影響も多少あると言えるが、ミランの守備におけるプレースタイルの変化が大きかったと言える。

3バックを採用し始めたミラノダービー(インテルが1-0で勝利)では、ボールを保持するインテルの選手に対し、ミランの選手たちは、プレスをかけるが、決してボールを奪おうとせず、安全なプレーを選択。時間を遅らせ、スペースを消すことで、サイドへと追い込み、「シュートを打たせない。プレーをさせない」という姿勢が見られた。

インテルがゴール前へと迫った際、ミランの選手たちはラインを下げてエリア内に実に8名が戻り、数的有利を確保している。ガリャルディーニ氏は「おそらく自陣内に深くラインを下げたことで、守備のコンパクトさを取り戻すことができたのだろう」と指摘。そして3バックで試合をこなすごとに、守備の安定を増していったとの見解を示した。

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セリエA6戦ぶり勝利を収めたトリノ戦の新たなステップ

次のトリノ戦(ミランが1-0で勝利)においては、非保持の際のプレースタイルも取り戻し、インテル戦から1歩前進した様子が見受けられる。ガリャルディーニ氏は「トリノ戦において、システムが完全に変更された」ことにも注目。3人のFWを投入し、3-4-3のシステムへと移行するとともに、ダービーと比較して、やや守備ラインを高い位置に戻し、よりアグレッシブな守備を仕掛けている点を指摘した。

さらに元イタリア代表のアナリストは、トリノ戦における被シュート数が、今年最初の5試合の合計と同程度である一方、危険な被シュート数自体はほぼ半減していることに注目。3バックを並べることで、ゴールに遠い位置から得点につながる可能性の低いシュートを打たせることに成功しているとの見解を示した。

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新たなアイデンティティを得たミラン

新生ミランのさらなる進化は、新システムにおいて、以前のようなアグレッシブなハイプレスを取り戻すことだったと言える。以前と比較して中盤の選手が1枚減って高い位置でボールを奪いづらくなった一方、DFが増えて最終ラインの安定性は増した。こうした条件の中で、選手が連動してポジション間の距離を保ちつつ、積極的な守備を仕掛けている。

アタランタ戦(ミランが2-0で勝利)においては、インテル戦のように相手の攻撃を遅らせたり、スペースを消したりするのではなく、全員が積極的にプレスを仕掛けに上がり、ボールを奪いに出ている。同時に守備ラインを高い位置に保ち、選手同士の距離を維持しながら、プレスをかけることができている。

ガリャルディーニ氏は、「このシステムにおいて、高い位置でボールを奪うことができれば、ミランはFWを3人起用していることもあり、いっそう脅威となる」と強調した。

かつてのハイプレスを維持しつつ、新たなアイデンティティを手にしたミラン。元イタリア代表の戦術担当は、「チームが復調している背景にあるのは、3バックか4バックかではない。ミランが変化を遂げたカギは、選手たちの姿勢やプレーの解釈の問題だ」と結論づけた。

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