UEFAチャンピオンズリーグ（UCL）準決勝では、インテルとの2連戦に敗れ、リーグ戦の前節においても、格下のスペツィアに2点を献上して敗れて公式戦3連敗中のミラン。来シーズンのUCL出場権の確保へ向けて黄信号が灯る中、すでに降格が決定しているサンプドリアをサンシーロに迎えると、UCL敗退の失望を払拭するかのように、今シーズン初の大量5得点を奪い、5-1と大勝を収めた。
そんなステファノ・ピオリのチームについて、『ダゾーン・イタリア』の解説陣が「Sunday Night Square」で議論を行った。まずは現役時代にラツィオやナポリでプレーしたダリオ・マルコリン氏が見解を示した。
「理想的なタイミングで理想的な対戦相手に出会ったと言えるだろう。ミランは直近の公式戦において、成績不振に見舞われていた。だがここへ来て、（ラファエウ）レオンを皮切りにダンスが始まった」
「それにクオリティも戻ってきたように思う。正直言って、ブライム（ディアス）の得点シーンは、まるで（ジョゼップ）グアルディオラ率いる（マンチェスター）シティのようだった。何度もパス回しをすることで、攻撃を仕掛けるタイミングを見つけることができたように思う」
ミランが最優先すべき補強ポイントは？
36歳のFWオリヴィエ・ジルーは、23分にリーグ戦で約2カ月ぶりとなる得点をマークすると、PKを含む合計3得点を挙げてミラン加入後初のトリプレッタを達成。さらにセリエA歴代最年長ハットトリック記録で第3位となる快挙となったが、年齢やフィジカルトラブルもあり、安定したパフォーマンスを示すことができない時期もあった。
ステファノ・ボルギ記者は、継続性を欠いたミランの今シーズンを振り返り、常に活躍できる背番号9番の補強が必要であると主張している。
「ミランは、レギュラークラスの9番を獲得するために投資をするべきだろう。ラツィオは主力の代役となる選手を模索しているようだが、ミランはレギュラーの選手を探すべきだ。（マウロ）イカルディ？ 感情面においても反響を呼びそうだね」
「確かに、彼のようなストライカーはミランにとって役に立つかもしれないが、ミランは近年、自らのプレーを通じて成熟してきたチームだ。FW勢もズラタン・イブラヒモヴィッチのようにプレーに加われるタイプの選手たちだった」
「縦への攻撃ができる9番といえば、（ディヴォック）オリギがその構想に当てはまるはずだった。だが今シーズン、彼はその役割を果たすことができなかったと言える。補強候補としては、スピードを持ち味としているベトや、相手のペナルティエリア内へ向かっていけるFWとして、リールの（ジョナサン）デイヴィッドも良いだろう。彼も素晴らしいスピードを持っていて、裏を狙える選手だ」
元インテル指揮官のアンドレア・ストラマッチョーニ氏も、ミランにおいてセンターフォワードの補強は最優先すべき課題であるかどうかを問われると、自身の見解を示した。
「CFは、極めて重要な1ピースと言えるだろう。『ミランはレギュラーとして1人の選手を考えるべき』とのステファノの意見には賛成だ。ジルーは、ラツィオのレギュラーである（チーロ）インモービレとは、まったく異なるキャリアを築いてきたわけで、ジルーがレギュラーにならないということを言っているのではない」
「ただ、ステファノが裏のスペースへの攻撃能力を求める点に関しては、懸念もある。すでに左サイドに、レオンというスペースを狙える偉大なFWがいるからね。そうなると、完成されたCFとしてデイヴィッドは良いかもしれないが、ベトはどうだろうか。彼の場合、素晴らしいバックアッパーにはなるかもしれないが、ミランなら、ステファノが話したように、しっかり投資をして重要なCFを獲得するべきだ」
(C)Getty Images
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