イブラヒモヴィッチは、2020年1月に低迷する古巣ミランへ7年半ぶりに復帰すると、ステファノ・ピオリのチームの精神的リーダーとして、若手選手たちをけん引。昨シーズンはミランの11年ぶりとなるスクデット獲得に貢献した。
だが、今シーズンは41歳という年齢もあり、ひざの手術やフィジカルトラブルの影響により、リーグ戦の出場がわずか4試合にとどまっていた。先日、行われたイタリア紙『Gazzetta dello Sport』のインタビューでは、現役続行を示唆する発言も残していたが、日本時間5日、一転して現役生活にピリオドを打つことを発表した。
誰にも告げなかった現役引退
退団セレモニーでは涙を見せ、サンシーロの観客から見送られたイブラヒモヴィッチ。その後、記者会見に出席すると、別れの言葉を述べた。
「長いキャリアだった。今日はプロとして最後の日になる。ミランのほか、これまでにプレーしたすべてのチーム、スウェーデン代表、そしてキャリアで俺をサポートしてくれた人々に感謝したい。将来はまだわからないが、これから俺の人生の次章が始まる」
「今朝、目を覚ますと、雨が降っていた。『神も悲しんでいるのか』と思ったよ。引退のことは、誰にも告げず、家族にさえ、知らせていなかった。みんなに同じタイミングで知ってもらいたかったんだ。今日の俺はゾンビのように見えたかもしれない。誰とも話をしなかったからね」
「3カ月前だったらパニックになっていたかもしれないが、今日は受け入れる準備ができている。当然、悲しい。人生のすべてを懸けてきたことだからね。カルチョのおかげで、俺は大人に成長し、決して出会うことがなかったはずの人たちに出会い、全世界を見渡すことができた」
「ミランは、初めてやって来た時、俺に幸せを与えてくれた。そして2回目に入団した時は愛を与えてくれた。すぐに自分の家であるかのように感じることができた。このチームは、まるで第2の家族のようになり、25人の息子たちがいるように感じた。この若者たちは、まだ成長できる。このクラブは数多くのさらなる成功を収めることができる」
「今夜、サンシーロで話をしなければならなかった時、みんなが泣いていた。感情があまりにも高ぶった。俺はスーパーマンだが、スーパーマンにも心があるんだ」
イブラヒモヴィッチは、母国スウェーデンのマルメからアヤックスを経て、2004年夏にユヴェントスへ加入。2006年のカルチョスキャンダルを機にインテルへと移籍し、リーグ戦3連覇を果たした。その後、バルセロナを経て2010年夏にミランへ加入。2012年にパリ・サンジェルマン(PSG)へ旅立つと、マンチェスター・ユナイテッドやLAギャラクシーでのプレーを経て、2020年冬にミランへ復帰した。
スウェーデン代表では2001年1月31日に19歳でデビュー。通算122試合に出場、62得点をマークした。
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