日本代表がカタールW杯の初戦となるグループE第1節・ドイツ戦を迎えた。
日本は、17日の国際親善試合・カナダ戦同様に[4-2-3-1]の布陣を選択。GKに権田修一、最終ラインには、右から酒井宏樹、吉田麻也、板倉滉、長友佑都を配置し、ダブルボランチには脳震盪で出場が危ぶまれていた遠藤航と田中碧のコンビを起用。攻撃陣には、右に伊東純也、トップ下に鎌田大地、左に久保建英、最前線には前田大然を起用した。
対するドイツもこれまでと同様に[4-2-3-1]の布陣で臨んだ。マヌエル・ノイアーやヨシュア・キミッヒといったドイツの中核を担う選手をはじめ、出場が危ぶまれていたトーマス・ミュラーが、ジャマル・ムシアラ、セルジュ・ニャブリ、カイ・ハバーツらと共に先発した。
日本の大声援と共にキックオフを迎えた前半は、立ち上がりこそ日本が勢いよく入ったが、その後は苦しい展開が続いた。
立ち上がりは日本が前線からの守備を機能させ、8分には、鎌田のボール奪取からいきなりチャンスを作る。日本が右サイドを駆け上がった伊東のクロスを前田がネットを揺らし、狙い通りの形からゴールに繋げたが、オフサイドによって取り消しとなる。
ただその後はドイツにボールを支配され、日本は我慢の時間が続く。特に左サイドから攻撃を仕掛けるドイツに対し、日本の右サイドが押し下げられ、[4-4-2]で構えた守備ブロックが機能せずに修正できない時間が続く。
それでも権田や吉田が中心となって守備陣が体を張って耐え続けてきたが、31分に痛恨のPKを与えてしまう。キミッヒからの浮き球に抜け出したラウムをペナルティエリア内で権田が倒してしまい、主審の笛が鳴る。そしてこのPKをギュンドアンに沈められ、ドイツに先制を許す苦しい展開となる。
その後も前半は日本がペースを引き戻せず、前半終了間際にはドイツの波状攻撃からハバーツにネットを揺らされたが、これはオフサイド。苦しい時間が続いた日本は何とか前半を1点ビハインドで折り返した。
後半開始から日本が動いた。久保に替えて冨安健洋を投入し、システムを[3-4-2-1]の3バックに変更。そして57分には、左サイドに三笘薫、最前線に浅野拓磨を投入すると、日本が勢いを取り戻していく。
それでもドイツにチャンスを作られる時間帯もあったが、権田が2度のシュートストップで危機を凌ぐと、その勢いが攻撃陣にも伝播していく。
このピンチを凌いだ直後の73分、遠藤の浮き球を受けた伊東がシュートを放ち、こぼれ球を酒井が押し込めずに絶好のチャンスを逃したが、ここから日本に得点の匂いが漂い始める。
すると75分、途中交代の3人が日本に待望のゴールをもたらした。三笘のスルーパスに途中からピッチに入った南野拓実が抜け出してクロスを上げると、ノイアーが弾いたボールが堂安律の下にこぼれ、これを押し込んで同点とする。
そして83分、日本がついに逆転。浅野がDFライン背後に抜け出し、素晴らしいコントロールから右足一閃。角度がないところから放ったシュートがゴールの天井を突き刺し、日本が歴史的な初勝利に一歩近づく。
7分のアディショナルタイムが追加されながらも最後まで集中を切らさなかった日本がこのリードを守り切って、2-1での逆転勝利。カタールW杯初戦でドイツから歴史的な初勝利となる大金星を飾っている。