サンフレッチェ広島は24日、「ドーハの歓喜」と題した声明をクラブ公式サイトで発表した。
23日、FIFAワールドカップ(W杯)カタール2022のグループE第1節で日本代表はドイツ代表と対戦した。日本代表は、前半33分にPKで先制点を献上。巧みなパス回しを見せたドイツ代表に翻弄される苦しい前半だったが、森保一監督が後半開始から3バックへとシステム変更すると、流れが変わる。75分にはMF堂安律がゴール前のこぼれ球を叩き込んで同点に追いつくと、83分にはFW浅野拓磨がGKマヌエル・ノイアーの肩口を抜く逆転弾をマーク。終盤のドイツ代表の猛攻を耐えきった日本代表が、過去4回のW杯優勝を誇るドイツ代表を相手に2-1と歴史的な勝利を収めた。
ドイツ代表戦勝利のカギとなったのは、森保監督が踏み切った3バックへの配置換えだった。その重要な決断を下した森保監督や、指揮官を支える横内昭展コーチ、下田崇GKコーチ、松本良一フィジカルコーチ、そしてテクニカルスタッフの中下征樹氏は、広島でも仕事をともにした旧知のメンバー。また、日本代表を勝利に導くゴールを決めた浅野が初めてプロ契約を結んだクラブは広島であり、森保監督の薫陶を受けた選手でもある。
歴史的勝利の立役者となった“サンフレ組”の活躍を受け、広島はクラブ公式サイトで以下のように声明を発表している。
「生きているうちにドイツ代表にワールドカップで勝てる日がやってくるとは……。日本中が歓喜し、世界は日本のレベルの高さに驚愕しています。森保ジャパン、本当におめでとうございました」
「決勝点を見事に決めた浅野拓磨選手。サンフレッチェ広島に2013年から3年半間在籍し、15年の優勝に貢献。この年、ベストヤングプレーヤー賞に選出されています」
「森保一監督は2012年、13年、15年のJ1リーグ優勝を成し遂げた大恩人です。偉業を達成した森保監督を支えるのが、広島で苦楽を共にした、これもサンフレッチェOBのスタッフ陣です。横内昭展コーチ、松本良一フィジカルコーチ、下田崇GKコーチ、中下征樹テクニカルスタッフの4人が代表でもサポートしています。紫の戦士たちがサムライブルーを牽引し、世界に立ち向かう姿勢はサンフレッチェ広島の誇りです」
「戦前から最強と謳われた広島サッカーを最初に指導したのは、第一次世界大戦で似島に収容されていたドイツ軍捕虜です。メキシコオリンピックで銅メダルを獲得するのに貢献したデッドマール・クラマーコーチは、時に発する日本語が広島弁でした。代表選手18人中6人が広島で、監督の長沼健さんも広島出身の被爆者だったからです」
「ドイツへの恩返しが、ドイツへの勝利になりました。続くコスタリカ戦、スペイン戦の勝利を祈ります 株式会社サンフレッチェ広島 代表取締役社長 仙田信吾」