サウジアラビアが優勝候補のアルゼンチンを相手にジャイキリを成功させた翌日の23日、森保一監督率いる日本代表はW杯E組の第1試合でヨーロッパの強豪ドイツと対戦。前半はPKから1点を奪われて苦しい展開を強いられるも、3バックへ移行して臨んだ後半からの巻き返しで2-1と見事な逆転勝利を収め、世界中を驚かせた。
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そんな日本代表の躍進に、『DAZNイタリア』の解説陣も興奮を隠せない。カタールW杯特番「Night Cup」に出演したダヴィデ・ベルナルディ記者は「アルゼンチンの次はドイツ、またしてもジャイアントキリングが起きた」と指摘すると、ステファノ・ボルギ記者は、試合のMVPに森保一監督を挙げ、「天才的な采配を見せた」と力説し、絶賛した。
「確かにそうした采配をするには、素材が必要ではあるが、1点をリードされている中で、彼はクボ(久保建英)の代わりにトミヤス(冨安健洋)を入れ、一見すると守備的でクレイジーな采配を見せた。だがそれから攻撃のほぼ全戦力を投入する勇気も見せた。MVPは間違いなくモリヤスだ」
ベルナルディ記者も日本の快進撃を称え、「日本は適切なタイミングと方法を見つけて、偉大な勝利を収めた」と強調。「試合の大部分において、ドイツが主導権を握っているように見えたが、日本は勝利にふさわしいプレーを見せたように思う」と振り返った。
日本とサウジのジャイキリの意味
するとボルギ記者が続ける。「1点をリードするドイツに対し、日本はスコアを覆す能力があることを示した。チームは輝きを見せ、メンタリティも持っていた。規律がとれたチームでもある。GKはPKを献上した場面では喜劇のような悲劇のようなプレーもあったが、偉大なセーブを見せた」と述べた。
開催国のカタールやイランが初戦で敗れた一方、日本とサウジアラビアが大番狂わせを起こした今大会。ボルギ記者は重要なメッセージを受け取ったと主張した。
「W杯序盤戦で伝わってきたメッセージは素敵なものだ。今大会は、カタールやイラン、コスタリカのように『守りに入って相手を待つばかりの戦いでは一掃される』ということを伝えているように思う。一方、攻撃に限らず、守備に関してもサウジアラビアのように高いディフェンスラインを敷くなど、勇気を持ってプレーするチームは奇跡を起こせる可能性があるということだ。非常に大切なメッセージと言えるだろう」
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