FIFAワールドカップ(W杯)カタール2022の“死の組”E組において、優勝国のドイツとスペインから大金星を挙げる歴史的偉業を達成した日本代表。森保一監督率いるチームは、大番狂わせのE組首位として、日本時間6日00:00に行われる決勝トーナメント1回戦でF組2位のクロアチアとの対戦を迎える。
クロアチア撃破のカギは?
そんな中、『ダゾーン・イタリア』の解説陣が、カタールW杯特番「Night Cup」の中でベスト16の一戦の行方を予想した。サプライズを巻き起こして世界を驚かせた日本と、前回大会の準優勝国であり、バロンドール受賞者のルカ・モドリッチを擁するクロアチアによる大一番。ニコラ・セーキ記者が「ベスト16の中で最も拮抗した試合」と指摘すると、ステファノ・ボルギ記者が持論を展開した。
「ブラジル対韓国と比べれば、拮抗した試合と言えるだろう。それに数日前から考えていることだが、この組み合わせは究極に魅力的だ。この2チームはお互いに完璧にかみ合う。クロアチアはあの中盤でボールを支配しようとし、対する日本は、逆転劇を得意とする指揮官がカウンター狙いでくるだろう。その戦術に適した選手たちもいる」
「この一戦において、日本はスピードを活かし、クロアチアは精度の高いプレーを目指すはずだ。クロアチアの方がタレントは多いが、日本にはスペインやドイツを倒した偉大なスピリットがある。素晴らしい試合になるだろう」
FIFAランキング12位クロアチアとの「ベスト16で最も予測不能な一戦」。史上初の悲願のベスト8進出を目指す同24位の日本に、勝機はあるのだろうか?ボルギ記者がこの対決のカギを指摘した。
「日本がクロアチアに勝利するためのカギ? 先ほども話したが、この完璧な組み合わせの試合で、どちらがより優れたパフォーマンスを見せることができるかどうかにかかっている。つまり日本のスピードが上回るか、それともクロアチアの精度の高いプレーが上回るかの話になるだろう」
ただ、『ダゾーン・イタリア』の解説陣は、クロアチアが優勢であるとの見解を示しつつ、予想スコアを発表した。ボルギ記者は2-0でクロアチアの勝利を予想。セーキ記者ら編集部のメンバーは、1-1で90分間では決着がつかず、延長戦の末、クロアチアが勝利を収めると予測した。
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イタリア発“コラッジョ”の意味は?
大会中、インテルやチェゼーナでプレー経験のある長友佑都が連呼して話題となった「コラッジョ! (イタリア語で勇気を出せの意味)」。ボルギ記者が、日本代表を鼓舞するそのキーワードの意味について解説した。
「コラッジョとは、人生やスポーツ、カルチョにおいて最も決定的な要素だ。日本代表はこれまで、かなりのコラッジョを見せてきたように思う。違いを作り出すことができるのは、コラッジョに賢さがある場合だ」
「威勢を張るだけのコラッジョは本当のコラッジョではなく、ほとんど役に立たない。賢いコラッジョを持てれば、スペインやドイツ、またはクロアチアのような相手と向き合っても恐れることはない。前へ進んでいくためにやるべきことをする。できることをする。それが本物のコラッジョだ」
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イタリアのファンを魅了する森保ジャパン
アレッシオ・デ・ジュゼッペ記者は、母国イタリアがW杯出場を逃した中、自身の周囲でスペインやドイツを撃破したダークホースの日本を応援するファンが増えていることを明かした。ボルギ記者も、自身の12歳のいとこが日本をW杯の優勝候補に挙げていることを告白。森保ジャパンの魅力を語った。
「私のいとこのピエトロは12歳だが、試合をかなり見ていてカルチョをよく知っている。そこで彼に今大会の優勝国を聞いてみたんだ。すると『そりゃ日本だよ!』って答えが返ってきた。それはなぜなのかと思うだろう」
「繰り返すが、人々は日本の気持ちの入ったプレーを見て楽しんでいる。日本は、攻撃的な選手を多く使って攻め、見ていて楽しいチームなんだ。人は面白いチームを応援したくなるものだよ」