史上初のベスト8進出を目指す日本は、決勝トーナメント初戦のラウンド16で、グループFを2位通過したクロアチア代表と対戦した。
グループEを首位で突破した日本は、第3戦目のスペイン戦同様に[3-4-2-1]の3バックを採用。ここまで全試合で先発してきた板倉滉が出場停止となる最終ラインには、冨安健洋が今大会初先発。そして中盤には遠藤航が復帰し、体調不良の久保建英がベンチ外となったシャドーには堂安律が入った。
対するクロアチアは、スコアレスドローのグループF・第3節・ベルギー戦から2選手を変更。左サイドバックのボルナ・バリシッチ、長身フォワードのブルーノ・ペトコビッチが今大会初先発を果たし、ルカ・モドリッチやマテオ・コバチッチらは順当に先発した。
日本が前半を理想的な形で折り返した。立ち上がりからセットプレーでチャンスを作った日本は、守備でもサイドを起点に攻撃を仕掛けるクロアチアに対し、最終ラインが体を張りながら無失点で耐え凌ぐ。粘り強い守備を続けた日本がゲームプラン通りに試合を進め、虎視眈々とチャンスを狙っていった。
すると43分、ゲームが動く。デザインされたセットプレーを駆使してきた日本がショートCKから堂安が鋭いクロスを入れると、このボールを吉田が戻し、フリーとなっていた前田が押し込んで、VARチェックの末にゴールイン。日本が今大会初めて前半にリードを奪い、理想的な形で折り返した。
ただ後半はクロアチアが意地を見せる。後半10分、右サイドからセンターバックのデヤン・ロブレンが精度の高いアーリークロスを入れると、ファーサイドから勢いよく飛び込んできたペリシッチが頭で仕留めて同点にする。
その後もクロアチアがセカンドボールの攻防を制し、後半18分にはモドリッチが豪快なミドルシュートを放つが、権田修一が見事なセーブでピンチを凌ぐ。
後半に追いつかれた日本が三笘薫や南野拓実らを選手交代でピッチに送るが、90分間を終えて1-1のまま、延長戦に突入した。
こう着状態が続いた延長戦。日本は延長前半14分に、カウンターから三笘が得意のドリブルから強烈なシュートを放つ。しかしこれはGK正面に飛んでゴールを破れず、延長戦でも決着はつかずにPK戦に突入した。
PK戦は、一人目のキッカーの南野、二人目の三笘と立て続けにGKにストップされると、クロアチアは2本続けて成功。追い込まれた日本は、3人目のキッカーを浅野拓磨が成功し、流れを変えると、クロアチアの3人目が失敗。しかし日本の4人目のキッカーを務めた吉田がGKに阻まれ、クロアチアは4人目がきっちりと成功。日本がPK戦の末にクロアチアに敗れ、史上初のベスト8を逃している。