走者を背負いながら、何度も訪れたピンチを冷静に切り抜けていった。DeNA・大貫晋一投手(28)は東京ドームで行われた9月18日の巨人戦で今季最多の110球の熱投を披露。主砲・岡本和に28号ソロを浴びながらも、失点はそれだけに抑えて、ストライク先行の投球で6回6安打1失点。チームの連敗と自身の連敗を3でストップして、今季11個目の白星を手にした。
「初回から飛ばしましたし、しっかりと自分の投げたいボールを投げることができたと思います」と満足げに振り返った。
1度目のピンチは2回2死一、三塁。2度目は4回2死満塁。打順の巡り合わせで相手先発・山崎伊がバッターボックスに立ったが、2打席とも冷静に空振り三振に切って取って危機を脱した。
「真っ直ぐも自分の中では指のかかったボールがいきましたし、ちょっと中盤、変化球が抜けることもあったんですけど、うまく立て直すことができたと思います」と反省を口にしながらも、キャリアハイとなる11勝目に笑顔を浮かべた。
身長181センチだが体重は73キロとプロ野球選手としては細身だ。その見た目から、入団してからのニックネームは「ハマの豆苗」だった。どうしても頼りなさというイメージが付きまとうことから、何度となくイメチェンを図ってきたが定着しきれずにいる。しかし着実に成長を遂げてきた。
2018年ドラフト3位で入団。ルーキーイヤーは15試合の登板。2年目は19試合、3年目は22試合登板とステップアップ。4年目の今季はシーズン通して投げ抜くために必要な地力を養ってきた。
今季チームでは唯一、先発ローテーションを守り続けている。暑い夏の盛り8月19日広島戦(横浜スタジアム)で自身2年ぶりの2ケタ10勝を挙げたが、球団右腕で2度の2ケタ勝利は現役時代の三浦大輔監督(48)以来。「緩急も使いながら、カーブを交えて抑えてくれた。ランナーが出たところでもここっていうところで低くいったり際どくいったり、緩い球を使いながら、持っているものをすべて使って。しっかりとゲームをつくってくれていますからね。だからローテーションを守ることができている」と指揮官も絶大な信頼を寄せている。球団が待ち望んだ「右の大黒柱」誕生の瞬間でもあった。
昨季6年ぶりに最下位に沈んだチームだが、今季は躍進を続けて2位をキープ。シーズン終盤の最後のヤマ場で首位ヤクルトとの直接対決を迎えた。大貫は9月24日(神宮)に先発予定。「まだまだ上を目指せると思うので、また一つでも二つでも勝ち星を重ねられるように上を見てやっていきたいと思います」とキッパリと目標を掲げた。
プロ入り自身最多となる23試合目の登板で、自己最多の12勝目をかけて、大黒柱が大一番に挑む。
文・宮田和紀
1976年10月5日生まれ。45歳。1999年に報知新聞社入社。オリックス担当などを経て22年からDeNA担当。
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